A10 Planning

新型コロナ禍から見えた香りの新たな価値

2020年1月、新型コロウイルスの出現により、わたしたちの働き方と生活様式は急激に変化が求められました。それは健康面だけでなく、市場経済へも打撃を与え、不安や焦燥感が社会を襲いました。また企業活動では”物理的な距離を保ちながら一体感を高めるという2つの相反することが求められるようになりました。こうした環境の中、「今、社会へ役立つこと、貢献できることがないだろうか?」ーそのように考え、香りを無償提供するプロジェクトを開始しました。

プロジェクトの主な活動履歴
1月30日/プロジェクト実施を決定
2月上旬/プロジェクト概要と仮説構築
2月中旬/申込みフォーム、アンケートフォーム準備
2月下旬/製品「和-NAGOMU-」の香り開発
3月上旬/ラベルデザイン制作、資材手配、
3月下旬/製造オペレーションの確保
4月7日/プロジェクトの公開(緊急事態宣言が発令当日)
5月1日/申込み開始
5月15日/発送開始

現在(コロナ禍)の仕事における課題

申込時には、「現在(コロナ禍)の仕事を進める上での課題・不安」について質問をしたところ、特に在宅勤務環境下における課題が顕在化しており、全体的に課題や不安を感じてることが浮き彫りになりました。

アンケート結果を以下の3つにカテゴライズし、香りの活用効果についての考察をしました。
1、在宅勤務における課題(業務環境)
課題提起として多かったのは「仕事の時間管理の難しさ」「集中力がもたない」「仕事モードに入りにくい」など、在宅勤務ならではの環境的な課題についてとなっています。
2、在宅勤務ににおける課題(フィジカル)
「運動不足になる」「外気(外)に触れる機会が少ない」など、身体面における課題提起が多く見られています。
3、メッセージ共有における課題
「会社からの今後の戦略・法人についての明確なメッセージがない」など情報コミュニケーションに関する課題提起が見受けられます。

アンケート結果-
ビジネスシーンにおける香りの有用性

 

①在宅勤務中の業務環(リフレッシュ、集中力の向上)へ約7割のユーザーが効果があると回答しています。

②在宅勤務中のフィジカル面(深呼吸やストレッチへのきっかけ等)へ約7割のユーザーが効果があると回答しています。

③製品のメッセージ機能は、約8割のユーザーがアロマスプレーのボトルを手に取る際に、ラベルに記載されたメッセージに目がとまったと回答しており、自分と関連が強くない製品メッセージであっても、1日に何度か手に取ることで、強い印象を与えることがわかります。

利用シーンの詳細について

④アロマスプレーの使用タイミングは「休憩時」が最も多く、次に「業務終了時」「業務開始時」と続きます。

⑤製品の使用頻度についてユーザーの約半数がアロマスプレーを1日4回以上使用しており、全体の14%は1日8回以上の使用が報告されています。

⑥香りの評価について、ユーザーのほぼ全員が「和-NAGOMU-」の香りを仕事の場面で使いやすいと回答しています。

⑦香り高評価の理由は、「匂いがきつくなく、仕事の邪魔をしない」「甘さが強くなく、スッキリしていて使いやすい」となっており、特定の条件(素材・香り濃度)を満たすことがビジネスシーンで選ばれるということがわかりました。

「和-NAGOMU-」の香りについては当社SCENT IDEATION事業部にて仕事中におけるリフレッシュした状態を作り出すことを目的とした香りです。香りとその効果を独自データベース「Scent Experience Index(以下SXIと表記)」を通して情報をINDEX化し、客観指標のもとにアロマブレンドを行い、その運用結果を再びデータへ反映する仕組みを保有しています。

今後の活用シーンについて

社外向けは、会社イベント(周年記念等)で記念品として配布や、自社顧客向けの営業ツール、販売促進ツールとしての利用に期待が集まっています。
社内向けは、働く場所の環境改善や、受付・会議室での香りの噴霧、従業員の福利厚生、社内コミュニケーションとしての活用が期待されています。

これらの点については、”アロマを空間芳香にとりいれる業界が広がり、一般企業のエントランスや共有スペース、社員のリラックススペースなどでの採用が増えている”。*と報告されているとおり、法人企業における香り活用ニーズの上昇傾向がうかがえます。
また以下ユーザーの声(本アンケート)からも、今後多くのビジネスシーンで香りの活用が期待されています。

ユーザーの声

アロマはリラクゼーション向けが多い中、「和-NAGOMU-」は仕事中、より幅広く使う、という点で適していると思います。使用タイミングは主にテレカンが終わって疲れた時(主に夕方)と業務終了時に神経を落ち着かせるために使っています。このような製品を会社や取引先から提供されるのは、とてもよいアイデアだと思います。私はもらったらすごく嬉しいです。配布側からの視点ですが、わたしが現在勤務している会社では、在宅勤務から通常モードへ戻していくのにどうするか、という議論をしており、オフィス環境やスタッフに対して安全安心な環境を作るための努力している姿勢も大事だと考えています。(例:コピー機やドアノブ消毒やマスク配布を含)香りの活用はとりわけ女性スタッフが多い会社には喜ばれると思います。今回のアロマスプレーにアルコール成分が入っているのもとても便利です。
(大手・総務)

今であれば、会社の福利厚生として社員へのメッセージ付アロマスプレーを提供物として検討することはよいと思います。会社のメッセージやスローガンをラベルに入れることによる共有価値のアプローチも今どきでよいと思います。新しい視点があり、検討してみたいです。
(大手 人事)

社員が長時間にわたって在宅勤務する際に、ストレスの低減につながるのが非常に良い点だと思います。今まで以上に住環境を好きになることが求められるなか、ツールとして簡便なところもよいと思います
(中堅 経営)

香りとメッセージによる新たな価値創出

新型コロナウィルスの出来事を通して、物理的に離れた場所とのコミュニケーションを可能にする価値や、物理的に離れた場所でも共有体験を得るための価値が必須であることを認識することになりました。今回の取組はユーザーからのフィードバックをいただけたことで、香りとメッセージがビジネスシーンにおける個人に対して、良き作用を与えることが明確になりました。今後Afterコロナの新たな価値観において、企業とヒト、企業と顧客を繋ぐコミュニケーションの方法として、香りとメッセージを活用した新しい価値創出への期待が持てることを確信することが出来ました。

今後、更に多くの場面において、香りが活用されていくことが楽しみです。
本取組のアンケートへご協力をいただいた皆さまへ、改めてお礼申し上げます。

本プロジェクトの詳細については、こちらまでお問い合わせください。
office[at]a10planning.jp